恋をしたのは一度だけ。初恋は別にして。初恋なんて恋かどうか怪しいからね。子供の頃すぎてあやふやだから。
本当の恋。それも相手にはただの憧れ。
遊びのつもりで登録した出合いカフェより出合い放題のコミュでこんなに気になる相手に会えるなんて思ってなかった。
恋に恋していると言われたからよくはわからないけど、切なくて一挙一動が気になって。抑えきれない衝動に戸惑った。
どうしても声が聞きたくて無理に電話番号を聞いた。あまり電話してはいけないと思いつつずっと電話をしていた。
迷惑だったろうに。少しでも一緒にいたいと仕事場で待っていたりほかの人と話すのをじっと見て話を聞いていたり。
ちょっと相手をしてもらえると嬉しくて有頂天になった。恋愛対象ではないと言われても自分は特別なのではないかと思ったり。
本当は運命だとか思ったり。赤い糸で結ばれているとか思ったり。自分の都合のいいことばかり考えていた。
でも、告白はしなかった。その前に断られることを知っていたから。
あからさまに誰の目から見ても私があの人に好意を持っていることはみえみえだったようで本人でさえも気が付いていたのだ。
まあ、毎日電話をしていればわかるよね。それで牽制された。「君のは恋に恋しているだけなんだから俺なんてやめろ」誰でも言ってみたい台詞かもね。
「何勘違いしてるの?」なんて言われるのも定番っぽい。無理出会い系を勧められた時に、本当に無理なんだと思って諦めた。
でも私は心の中で「そうなのかな?でも本気で好きなんだけどな」と思っていた。初めての恋だから本気かどうか自信が無かった。
本気って何?って思っていたし。憧れだといわれても説得できる言葉も思いつかなかった。
でも、あの時の気持ちは他の誰にも持てない。だから本当に恋していたのだ。
そして未だにあれ以上の気持ちにはなれない。なれていない。